◇◇◇◇海外ビジネス体験談コラム◇◇◇◇
ディナータイムに見るお国柄
●スペインは世界で一番ディナータイムが遅い国でしょう。シエスタの習慣から昼はゆっくり休み、午後のエネルギーを充電して夕方から仕事に望むのですから、
当然夜まで仕事をし続けます。これは上で述べました。それに連れて、ディナーの時間もかなり遅くなります。
●ディナーを何時に始めるのか、という観点から、いろいろな国を見てみると、面白いことが分かります。それはその国の歴史、宗教、自然環境などが上手くミックスされて
、現在のその国の或いは国民の考え方のルーツが分かってくるのです。
●私の経験では、各国でディナーを始める時刻の平均は、以下のようです。
アメリカ 6時−7時
中南米各国 8時−9時(但しアルゼンチンは、10時頃)
イギリス 6時−7時
ドイツ 7時
オランダ 7時
イタリア 8時−9時
フランス 7時−8時
ロシア 7時−8時
中国 6時−7時
マレーシア 7時−8時
スペイン 10時−11時
●これを民族的に、大胆にまとめると、以下の様になります。
アングロサクソン系
世界の民族の中では早くディナーを始め、夜は早く寝る。又食事時間も比較的短い。
ゲルマン系
アングロサクソン系とほぼ同じ。
中国・アジア系
日本もこの分類に入るが午後7時ごろから始め、45分から90分をディナーに使う。
ラテン系
一般にディナー開始は遅い。そして時間をかけてゆっくり食べる。夜が更けることを気にしない。
●ビジネスを行うにも、人間の3大欲求の1つである食欲を満たす食事の習慣を理解する事は重要です。国によっては、 その習慣を軽視した事から、ビジネス関係を険悪にしてしまう事もあります
●さて、スペインですが、おそらく世界の国の中で一番遅い時間にディナーを始めます。私の経験でも、 夜の9時か10時ごろまでオフィスで打ち合わせをし、それからレストランへ繰り出す、ことが当たり前です。
●レストランも早いところで8時、遅いところで9時オープンですが、その時間に行っても、 観光客がいる位で、店には活気がありません。活気を見せるのは10時過ぎからで、良いレストランでは着飾ったお客さんが一斉に入ってきます。
●そして12時から1時ごろまで、ワイワイガヤガヤ、これぞ人生の喜びと言わんばかりに食事を楽しみます。 もちろん、甘いデザートも必ず食べます。場合によっては、食後酒、葉巻などで締めくくります。
●この習慣になれていない我々にとっては、苦痛ですね。特に次の朝、早いフライトで移動がある時は、ディナーの最中に、 何時間寝れるのかな?と考えてしまいます。それでも、陽気なスペイン人とのビジネスを成功に導く為、楽しそうな顔をしてくださいね。
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