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説明書翻訳を依頼する際に気を付けるべきこと

説明書翻訳の注意点1.翻訳者は専門知識を持っているか?

普段は日本語を使っている日本人であっても、日本語で書かれたIT関連技術に関するマニュアルや医療の専門書などを十分に理解し、自分の言葉(日本語)でリライトできるとは限りません。正確にリライトするためには、IT関連の知識が不可欠だからです。
それと同様に、たとえ日本語・英語の両方に精通している翻訳者であっても、翻訳する対象やテーマが翻訳者の専門外であれば、正確な翻訳は期待できなくなります。
説明書翻訳を依頼する際には、翻訳スキルや翻訳経験に加えて、その説明書に関する専門知識の有無も確認する必要があります。最低でも、その説明書がテーマとしている業界(医療、特許、IT、金融など)の翻訳経験を確認すべきでしょう。

説明書翻訳の注意点2.スタイルガイドはあるか?

スタイルガイドとは、翻訳上の表現や表記法などに関する統一ルールのこと。翻訳会社が大規模案件を受注した際、翻訳業務を複数の翻訳者に振り分けることがあります。複数の翻訳者が自分独自のルールに基づいて翻訳を行ってしまうと、様々な表現や表記ゆれなどが生じる恐れがあります。そのようなことが生じないよう、翻訳者全体の統一ルールとして設定されるのがスタイルガイドです。
翻訳を依頼する際には、その翻訳会社にスタイルガイドが存在するかどうかを確認するようにしましょう。

以下、スタイルガイドの主な項目、および、スタイルガイドがある翻訳会社を選ぶメリットを確認します。

スタイルガイドの主な項目

文体のルール

「です・ます調」にする、「だ・である調」にする、箇条書きのみ「だ・である調」にする、体言止めを使う・使わない等々のルールです。

漢字・アルファベット・数字などの表記ルール

漢字は内閣告示の常用漢字のみ使用する、業界特有の用語については常用漢字以外を使用しても良い、アルファベットや数字は半角のみにする等々のルールです。

送りがな等のルール

「申し込み/申込み/申込」「行なう/行う」「表わす/表す」など、送り仮名の統一に関するルールです。

記号を使う際のルール

どのような対象に対し、どのような記号を使うかのルールです。カッコ類、感嘆符、疑問符、コロン、ハイフンなどが対象となります。それぞれの記号における全角・半角の使い分けもルール化します。

クライアントから依頼されたルール

クライアントから独自のルールを提示されることがあります。

スタイルガイドがある翻訳会社を選ぶメリット

高品質の納品物が期待できる

スタイルガイドに沿って翻訳された文章は、全体的に同じテンポでスムーズに読了できます。高品質の納品物が期待できるでしょう。

スピーディな納品が期待できる

各翻訳者が翻訳作業中に迷ったり相談したりする頻度が減るため、翻訳業務は効率化されて作業スピードが上がります。短期間での納品が期待できるかもしれません。

※参照サイト:https://localization.c-brains.jp/translation_services/2016/20161005.html

説明書翻訳の注意点3.用語の表記統一はしたか?

スタイルガイドの趣旨にやや重複するテーマとなりますが、説明書の翻訳においては「用語の表記統一」が非常に大事なポイントとなります。
小説や随筆、映画などの翻訳では、同じ単語でも文脈やニュアンスに合わせて、あえて異なる訳語を与えることが翻訳者の力量の一つと評価されますが、逆に説明書では、同じ単語に同じ訳語をあてることが翻訳の大原則となります。
ユーザーに最小限の努力で正確に内容を理解してもらえる説明書こそ、優れた翻訳説明書です。翻訳会社に翻訳を依頼する際には、必ず「用語の表記統一」に関する翻訳会社の考え方を確認しましょう。

説明書翻訳の注意点4.翻訳前に必要となる情報を提供できているか?

翻訳を依頼する際、事前に翻訳会社に提供しておいたほうが良い情報があります。以下3点を確認しておきましょう。

翻訳の対象範囲を明確に示す

提供する資料のうち、具体的に翻訳してほしい範囲を明確に示しましょう。
明確な範囲の指定がない場合、翻訳会社は、資料に記載されている全ての英語(または日本語)を対象に翻訳します。それらの中には、依頼側にとって不要な翻訳が混ざっているかもしれません。 翻訳後に「そこは翻訳が必要なかった」と伝えても、通常、翻訳した全体量に対する料金が請求されることになります。

読者のターゲット層を共有する

翻訳する説明書の読者ターゲット層を、事前に翻訳会社に伝えることが大切です。なぜなら、ターゲット層の違いにより、翻訳上の文体や用語が変わってくるからです。
説明書の読者ターゲット層が技術者レベルなのか、その分野を勉強している学部生レベルなのか、それとも一般ユーザーレベルなのか等々、事前に翻訳会社に伝えておくことで文体や用語の齟齬がなくなります。

対訳表があれば事前に提供する

自社で決めている翻訳用語があるならば、事前にその対訳表を翻訳会社へ提供しましょう。また、過去に同種の翻訳事例がある場合には、その際の翻訳文書も参考資料として提供しておくと良いでしょう。

説明書翻訳の注意点4.対象となる国の文化を理解しているか?

同じような内容の説明書であっても、その国や地域、宗教などの文化の違いにより、受け入れられることもあれば拒絶されることもあります。外国語への翻訳を翻訳会社に依頼する際には、文化の違いを考慮した翻訳ができるかどうかを確認するようにしましょう。
たとえば、文化による説明書の捉え方の違いには、次のようなものがあります。

日本の説明書の場合

日本では、漫画やアニメのキャラクターなどに触れた、陽気で可愛らしい印象の説明書でも抵抗なく受け入れられる傾向があります。

アメリカや中東の説明書の場合

アメリカや中東では、専門用語を少なめに抑えた簡潔な印象の説明書が好まれます。

イタリアの場合

イタリアでは、命令口調の説明書が強く拒絶されます。「こうしてください」ではなく「こうなさったらいかがですか」という口調にとどめたほうとが無難です。

ハンガリーの場合

ハンガリー人には、機械はすぐに壊れるものという先入観があります。なおかつ、壊れた機械を自分で直したがる傾向もあります。これらの国民性ゆえ、ハンガリーでは技術者向けの仕様書のような説明書が好まれる傾向があります。

多くのヨーロッパ諸国の場合

イタリア等の一部の国を除き、多くのヨーロッパ諸国では、格調の高いテクニカルな説明書が好まれます。逆に、くだけた印象の説明書は好まれません。

イスラム教圏の場合

イスラム教では、左手を不浄な手とみなす思想があります。そのため、左手のイラストを入れたり、左手を使う操作方法を紹介したりする説明書は拒絶されることがあります。

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