技術翻訳とは?

技術翻訳とは、何のどのような翻訳なのか
技術翻訳は「産業翻訳」とも呼ばれ、工業技術分野やIT、金融、医薬などの専門分野に特化した文章を翻訳することを言います。
翻訳と技術翻訳の違い
一般的な「翻訳」と「技術翻訳」にはどのような違いがあるのでしょうか?2つの違いを解説していきます。
翻訳
ある言語の文章を、意味を維持したまま他の言語(翻訳のターゲット言語)に置き換える作業のこと。原文の持つ意味やニュアンスを、翻訳のターゲット言語に「もれなく」「読みやすく」再現する必要があります。
技術翻訳
翻訳する専門文書の内容を理解し、「業界専門用語」も適切に反映しながら行われる翻訳のこと。翻訳力に加えて「対象分野の専門知識」が求められ、読み手に内容が「正確に」「確実に」伝わる必要があります。
技術翻訳の対象となるもの
技術翻訳はさまざまな分野で発生し、対象文書も多岐に渡ります。
工業技術分野
技術特許・製品カタログ・企業ホームページ・作業手順書・取扱説明書・仕様書など
IT分野
ソフトウェア開発仕様書・Webサイト・プログラム設計書・ユーザーズマニュアルなど
医薬分野
学術論文・試験報告書・治験関連文書・添付文書・マーケティング資料など
金融・法務
契約書・社内規定・人事・社内教育・広報・金融レポートなど
技術翻訳で依頼できること
技術翻訳では、具体的にどのようなことを依頼できるのでしょうか?一般的な技術翻訳のサービス内容を見ていきましょう。
翻訳
対象分野の知識を持った翻訳者による、専門文書の翻訳(日本語→外国語/外国語→日本語)
校正(クロスチェック)
翻訳後、第三者が行う翻訳内容のチェック。より精度の高い翻訳に仕上げられます。(チェックする項目や作業内容は翻訳会社によって異なります。)
ネイティブチェック
英語ネイティブの作業者が翻訳内容をチェックします。ネイティブの視点で不自然な表現などを修正し、より自然な英語に仕上げます。
技術翻訳の料金相場
技術翻訳の料金相場はどのくらいなのでしょうか?ここでは、日本翻訳連盟が出している技術翻訳料金と一般的な翻訳会社の料金の目安(当サイト調べ)をご紹介します。
<日本翻訳連盟>
英文→和訳(税別) | 文字単価 |
---|---|
コンピューターマニュアル | 28円/1ワード |
一般科学・工業技術 | 28円/1ワード |
金融 | 30円/1ワード |
経営管理・財務・契約書 | 30円/1ワード |
医学・医療・薬学 | 35円/1ワード |
特許明細書 | 26円/1ワード |
和文→英訳(税別) | 文字単価 |
---|---|
コンピューターマニュアル | 20円/1文字 |
一般科学・工業技術 | 21円/1文字 |
金融 | 25円/1文字 |
経営管理・財務・契約書 | 25円/1文字 |
医学・医療・薬学 | 30円/1文字 |
特許明細書 | 30円/1文字 |
<翻訳会社>
英文→和訳(税別) | 文字単価 |
---|---|
IT・情報通信 | 14円/1ワード |
工業技術 | 15円/1ワード |
財務・会計、金融 | 16円/1ワード |
契約書・法務・法律 | 14円/1ワード |
医薬・化学 | 17円/1ワード |
特許・知財 | 18円/1ワード |
和文→英訳(税別) | 文字単価 |
---|---|
IT・情報通信 | 9円/1文字 |
工業技術 | 10円/1文字 |
財務・会計、金融 | 10円/1文字 |
契約書・法務・法律 | 9円/1文字 |
医薬・化学 | 13円/1文字 |
特許・知財 | 10円/1文字 |
※翻訳会社によって料金に含まれるサービス内容が異なるので注意が必要です。
翻訳の種類と技術翻訳の位置づけ
翻訳には主に以下のような種類があります。
実務翻訳
専門知識を必要とする実務系文書全般の翻訳のこと。技術翻訳はこの「実務翻訳」の枠に該当します。原文に忠実に、正確な翻訳が要求されます。
文芸翻訳
小説や文芸、絵本、雑誌、歌詞などを対象とした翻訳のこと。出版翻訳とも言われ、原作が表現するニュアンスを訳文に再現する高い言語力、表現力が要求されます。
映像翻訳
映画などの映像作品、ウェビナー動画、企業メッセージ動画などの翻訳のこと。映像翻訳は画面に表示できる文章の長さが決まっているため、限られた文字数で読みやすく正確な文章にする必要があります。
技術翻訳の難易度
通常の翻訳に比べて技術翻訳は難易度が高く、高度な知識や翻訳技術が必要です。
技術翻訳の難しさには、例えば下記のような点が挙げられます。
専門知識が必要
同じ言葉を翻訳する場合でも、その言葉が「どの分野」の「どんな場面」で使われるかによって選択する訳語が変わってきます。翻訳者は、用語が使用される背景なども正しく理解した上で翻訳する必要があるため、難易度は非常に高いと言えます。
日本語と英語の文書構造の違い
日本語と英語では文書構造が大きく違います。
例えば、英語の文書では必ず主語が必要ですが、日本語ではたびたび主語を省略することがあります。そのため英文をそのまま翻訳すると不自然な翻訳になる場合があるのです。
例)「ABC application enables users to do 〜」
△「ABC アプリケーションを使うとユーザーは~することができます。」
◯「~することができます。」
技術翻訳では相手に「正確に」「確実に」伝わる翻訳が要求されるため、言語間の文書構造の違いを理解した上で慎重に翻訳を行う必要があります。
技術翻訳の品質を担保するポイント
技術翻訳の品質を担保するには、以下の3つのポイントを押さえておく必要があります。
多言語の語学力
技術翻訳を担当する翻訳者は、母国語と翻訳ターゲット言語の両方において「正確に意味を読み取る読解力」と「正確で無駄のない表現力」が要求されます。
そのため、担当する翻訳者が高い語学力を備えていることが品質を担保する重要なポイントになります。
専門知識と経験
翻訳者に専門知識がないと、原文が何を意味しているのか理解できず誤訳につながったり、相手に伝わらない文章になってしまいます。
翻訳する文書に対して翻訳者がふさわしい専門性を持っているかどうかは、翻訳の品質を直接左右する大きなポイントです。
高いリサーチ力
翻訳者は翻訳原稿の内容を正しく理解して、正確に翻訳する必要があります。
そのためには信頼性のある情報を徹底的に調査し、裏付けをとるための高いリサーチ力が必要です。
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