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治験翻訳とは?依頼前に知りたいポイントを紹介

治験翻訳をする前に知っておきたいこと

治験とは?

治験とは、新しい薬や治療法が国から承認を得るために行う臨床試験です。
新薬が誕生してから患者の手に届くまでにはさまざまなプロセスを経なければなりません。治験はそのプロセスの最終段階にあたり、開発された新薬候補の有効性や安全性を調べ、必要なデータを収集するのが主な目的です。
収集したデータを厚生労働省が審査し、病気の治療に必要で安全に使用できると承認されたものが薬として発売されます。

治験翻訳の対象となる文書

治験実施計画書

治験実施計画書(Protocol)とは、治験の内容や遵守しなければならないルールをまとめた文書です。主に治験の目的・患者(被験者)の条件・治験の方法・組織・安全・倫理的な配慮などが記載されています。
治験実施者は、この治験実施計画書を必ず遵守しなければなりません。遵守できなかった場合には薬事法違反に問われ、治験の中止や無効、営業停止などの重い処分が科せられる可能性があります。

治験薬概要書

治験薬概要書(Investigator’s Brochure:IB)は、治験薬の成分・効果・取り扱い方を医師や看護師などの医療従事者に誤解なく伝えるための文書です。治験薬に関する情報の共通認識を形成する取扱説明書ともいえるでしょう。
治験薬概要書の内容は治験中に新たな副作用などが判明した際に更新を行う必要があり、少なくとも年に一回は更新されます。医療従事者に向けた資料ですが、患者の安全を守る判断材料として重要な書類です。

症例報告書

症例報告書(Case Report Form : CRF)とは、治験を行った際の患者の検査データや副作用などの情報を記録した文書です。患者の基本情報をはじめ投与薬情報・検査結果・副作用・医師所見などが記録され、この報告書をもとに薬の有効性や安全性を評価します。
以前は紙の症例報告書が一般的でしたが、現在はオンラインで利用される電子化した症例報告書(eCRF)が主流になっています。

同意説明書

同意説明書(Informed Consent Form : ICF)とは、患者が治験に参加する前に内容を説明し、同意を得るための文書です。治験の内容をわかりやすく伝える「説明書」と内容を理解し納得のうえで署名をもらう「同意書」がセットになっています。他の文書と違って患者に向けた書類のため、専門的な内容でありながら分かりやすい表現が必要とされ、図解を入れる場合もあります。
治験は自由意志での参加が前提なので、説明書の説明に納得して同意書に署名すれば「患者は自発的に研究に参加するのを承諾した」ことになります。この署名までの流れが治験におけるインフォームドコンセントと呼ばれるものです。

治験総括報告書

治験総括報告書(Clinical Study Report : CSR)は、治験終了後、治験全体の評価と実施結果をまとめる文書です。治験の目的や方法といった治験実施計画書の内容に加え、GCP(治験のルール)遵守の陳述・治験の有効性・安全性の評価などが記載されます。患者数に比例してデータ量が増減するため、大規模な治験だと1000ページを超えるケースも珍しくありません。
最終的に新薬申請資料として規制当局への提出や学術論文として発表されるため、誤訳があれば承認プロセスに大きな影響を与えてしまいます。

治験翻訳はセルフでも可能?

治験翻訳はセルフでも可能ですが、あまり現実的とはいえません。
治験文書の翻訳には、医療・薬事・治験に関する高度な知識と英語力が欠かせません。比較的わかりやすい同意説明書であっても、知識・スキルが不足していれば翻訳に時間を要するでしょう。また、急な情報の更新に伴う加筆などの迅速な対応が求められる治験翻訳では、どうしても人員が必要になります。
時間に余裕はあるがコストには余裕がないといった場合、セルフでの治験翻訳も視野に入ってくるかもしれません。しかし、治験翻訳においてはわずかなミスが大きな損失やトラブルを引き起こす可能性があります。翻訳のプロに依頼すればトラブルのリスクを抑えられ、正確性と効率性を求めた翻訳が期待できるでしょう。

治験翻訳は誰に任せる?専門性と安心を両立するために

治験翻訳を依頼する際のポイント

英語だけでなく専門用語のスキルがあるか

英語力だけでは、専門性の高い治験翻訳には対応できません。正確な読解力はもちろん、医学や薬学の専門用語についての知識も必須です。薬剤名や有害事象といった専門用語は、国際標準に基づいた正確な訳語を選定する必要があります。
訳し間違いは治験データの正当性を損ねてしまい、患者の健康を損なう重大な問題につながる可能性もあるでしょう。医療の分野は日々進歩するため、最新の知識を取り入れ適切に理解し続ける姿勢も欠かせません。
依頼前には翻訳者が医薬分野の資格や医学文献へのアクセス経験など、専門用語に精通しているかどうかをチェックしましょう。

治験翻訳の実績があるか

どれほど優れた翻訳スキルを持っていても、治験翻訳の実務経験がなければ実際の現場で求められるレベルには達しない可能性があります。治験文書には規制文書として求められる構成や表現の型があり、それを理解していなければ正確な翻訳はできないためです。不慣れな翻訳者が担当すると訳文が不自然だったり用語の揺れが発生したりしてしまい、再確認や修正に時間がかかってしまうでしょう。
治験翻訳は専門性が高いため、経験と実績を持つ翻訳者や翻訳会社を選ぶことでリスクを抑えられます。実績や得意分野をホームページで公開している会社も多いため、まずは複数の企業サイトを比較検討してみるとよいでしょう。実際に利用した人の口コミ情報などに目を通すのも良いかもしれません。 患者の健康を守るうえでも、治験翻訳の実績は大切な判断材料です。依頼者側としても安心感に直結する部分なので、ぜひ意識して依頼しましょう。

機密性を担保できる

翻訳された治験文書には、患者情報・治験情報・未発表のデータなどが含まれています。これらの情報が漏洩すると患者への影響や法的責任、企業の信用失墜など、大きな問題につながりかねません。そのため、セキュリティ対策に力を入れている業者を選ぶ必要があります。
情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格ISO27001認証を取得している会社や、機密保持契約(NDA)の整備、セキュリティポリシーを策定している会社はセキュリティ意識が高いといえるでしょう。

ネイティブチェックがあるか

ネイティブチェックとは、翻訳された文書をその言語を母国語とするネイティブスピーカーがチェックする工程です。ネイティブにとって表現が自然か、文法に誤りはないかなどを確認し、訳文の品質を高めます。
IRB(治験審査委員会)提出書類や同意説明文書などは、文化的背景も踏まえた表現が求められるため、ネイティブによる最終チェックが必要です。
ネイティブチェックをしなかった場合、誤解を生む表現や不適切な語彙が残ってしまい、治験の信頼性や審査の通過率に影響を及ぼす可能性も否定できません。翻訳者とは別に、医薬系に精通した英語ネイティブのチェック体制があるかを事前に確認するようにしましょう。

【実績あり】質の高い治験翻訳を依頼するなら

治験翻訳には高度な専門知識と高い正確性が求められるため、信頼できる翻訳サービスを選ぶことが重要です。
医療・臨床試験の分野で豊富な経験を持つケースクエアは、これまでに肝臓癌の進行に関する治験翻訳など数多くの実績を重ねてきました。専門用語や治験の流れを理解したうえで、正確かつわかりやすい訳文を納期厳守でお届けします。
校正のクロスチェックに加えて、訳文のネイティブチェック込みで仕上げるので品質面も安心。お得な割引制度に加えて、初めて依頼する方には無料トライアルサービスもご用意しています。お見積りももちろん無料ですので、治験翻訳を検討中の方はお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

治験翻訳は、新薬の承認を得るために必要な治験文書を正確かつわかりやすく訳す重要な工程です。治験実施計画書や治験総括報告書、同意説明書など多岐にわたる文書には、高度な専門知識と文脈や状況を意識した正確な読解力が求められます。
小さな誤訳が治験全体に影響する可能性もあるため、治験翻訳を依頼する際は医療や薬事に精通した実績のある翻訳者に依頼する必要があります。ネイティブチェックや機密保持体制が整っているかどうかも、信頼性の高い翻訳を実現するための大きなポイント。これらを踏まえたうえで任せられる翻訳会社を選び、質の高い翻訳を目指しましょう。