世界経済の潮目の変化

 
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世界経済の潮目の変化 翻訳会社の一般常識コラム

 

◇◇◇◇ 翻訳会社の一般常識 ◇◇◇◇

先週から、円高(ドル、ユーロ安)、世界同時株安、原油安、金が底値を切る、などの状況になってきている。数ヶ月前にも同じ動きがあった。私は日本のファンダメンタルズから判断する限り長期では円安支持者である。ただし目先では色々な事があるだろう。日本の年金、社会保障、医療問題、国債の問題は日本ウオッチャーには理解されているが、ヨーロッパで起きている目の前の火事と比較されると、将来の問題と位置づけられている。取りあえずどこまで落ちるか読みの出来ない通貨であるユーロを手放し、少しでも安定している通貨に乗り換えるという意味では、市場規模と交換がすぐに成立するという面からドルか円しか無い。従ってドル対ユーロでもユーロが切り下がっている。円から見ると、ドルもユーロも下げているが、当然ユーロの下げ幅の方が大きい。ギリシャでは、議会選挙が続いており、当初は緊縮財政を方針とした保守派が反対の立場を取る左派に破れたが、その道を進むとユーロ脱退を覚悟せねばならないということを国民が理解し始め、最近の調査では、保守派が盛り返しているようだ。ギリシャの選挙は6月17日が投開票となるが、その結果はどちらに転ぶか全く予想が立っていない。 ここでユーロという、欧州人の知恵が生み出した通貨について考えたい。東西ドイツが、ベルリンの壁の崩壊後、合併した。その結果、新ドイツは人口8500万人というヨーロッパでは最大の国家になった。アジアでは日本がそうである様に、周辺諸国は歴史を忘れない。もし新ドイツがその国力で独走したら、第1次、第2次大戦の繰り返しになるのではないか、それを防ぐには何をすべきかが議論となり、欧州という括りでしばる方法が選択された。それがEUであり、政治体制は独立だが、経済は共通通貨を使う事でドイツの経済を全欧州の中へ取り込む事にした。それまでの欧州は、ECという地域としての協力体制はあったが、政治も通貨も各国独立で、話し合いはするが、最後は国ごとに判断、方針決定をしていた。それが、通貨(財政政策)を1つにする事で、ドイツの足を縛ったわけである。従って欧州諸国から見た時、ユーロの導入にはドイツ縛り、という政治の枠がある事を我々は忘れてはいけない。貿易や旅行のとき通貨が違うと両替が面倒であるとか、両替手数料がかかる、と言うのは派生的な事で、根幹は近代史のなかのトラブルメーカーであったドイツを押さえる戦略・政策である。その観点から、最近の動きを見ると良く理解できる。例えば、ドイツのメルケル首相は常にドイツはヨーロッパの一員であり、だらしのない経済政策しかとれないギリシャであっても、出来るだけ助ける立場をとっている。ただドイツ国民がどこまでそれを支持し続けられるかがキーであろう。総論としてはEU精神を理解しても、国民の大半がギリシアやイタリアをドイツが援助し続ける事に賛成していけるだろうか。ドイツ人であっても自分の生活の犠牲を払って、良く働いた結果、今の様な経済繁栄を手に入れているわけだ。空から降ってきたわけではない。人間として、アリとキリギリスの逸話にある様に、ギリシア人も同じ様に努力しろ、という要求は当然である。一方、ギリシア人にも長い文化があり、ドイツ的な意味での勤勉さを社会構造面でも、国民の精神面でも持ち合わせていない。これは善し悪しの問題ではないことに、難しさがある。この溝は永久に埋まらないであろう。ユーロの存続問題が話題になっているが、それを決めるのは、ドイツがどれだけ自己犠牲を払って、南欧州諸国の経済を支えるかに掛っていると言える。

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