◇◇◇◇翻訳会社の一般常識◇◇◇◇
本日、東急グループが威信をかけたヒカリエがオープンする。旧渋谷文化会館跡に複合商業施設として長年建設が行われていたが、いよいよ本格稼働を始める。テレビでもこの1週間特集をいくつも放映しているので、このオープンを知っている方も多いだろう。知らない方の為に基本情報を記しておくと、地上34階、地下4階で、地下3階から地上5階の商業施設には、20代後半から40代の女性をターゲットにした衣料品や雑貨、食料品店が計約200店入る。その上の階には6階分吹き抜けの本格的ミュージカル劇場があり、東急シアターオーブと名付けられた。席数は2000。こけら落としに、ウエストサイドストーリーの公演が予定されている。さらにその上が最上階までオフィスになる。この施設がマーケティングの視点から注目を集めるのは以下の点である。
1.シニア富裕層向けの東急本店、若者向けの109に対して、20代後半から40代までの女性に焦点を絞って、作られた。
2.ターミナル駅として東急東横線が東京メトロと繋がるので、今まで以上に渋谷が便利になる。
3.東京城南地区から都心へ行く途中に位置する渋谷であるが、東京の中でも城南地区は富裕層が多い。その顧客をどこまで取り込めるのか。
渋谷はこの20年あまりは、若者、それも10代の半分子供たちによって文化が形成され、世界にSHIBUYAブランドが発信されてきた。シブカジ、ヤマンバ、109、などいずれも渋谷から発信されてきた。それ以前は、東急、西武の両百貨店、パルコ、丸井など若い大人が中心であった。そしてあまりに子供化した為に、大人(20代は既に渋谷では大人に入る)が渋谷を避け、通勤で駅を利用しても商業施設を利用しなくなっていた。お金を落とすのは子供でなく、大人である。それも20-40代の女性が日本の消費文化を牽引している。今回そこに焦点を絞り、ヒカリエはテナント、化粧室、もそのコンセプトで統一している。一つの例が、京都にある有名な油取り紙の“ようじ屋”が初めて東京の百貨店へ出店している。これも大人の女性を狙ってのことだ。このマーケティング手法がどこまで、東京の大人の女性の心をとらえるか、今後の他の商業集積施設の参考にもなるであろう。
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