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ローコンテクストとは?ハイコンテクストとの違い

ローコンテクスト・ハイコンテクストの特徴と違い

ローコンテクストとは?

特徴

ローコンテクストとは生まれた国の文化的違いや知識の差に関係なく、互いに理解できる分かりやすいコミュニケーション方法を指します。曖昧な表現や言葉以外の文脈(コンテクスト)に頼らず、状況の背景や文脈を言葉で言い表すのがローコンテクストの特徴です。
アメリカ・オーストラリア・カナダなどの欧米諸国ではローコンテクストが好まれ主流なコミュニケーションスタイルとなっていますが、その理由として考えられるのが英語の性質。
例えば「会う」という単語を英語に訳すだけでも、see・meet・encounterなど複数存在し、シチュエーションによって使い分ける必要があります。日本語のように文脈・行間を使ってニュアンスを表現するのではなく、使用する単語そのもので意味合いを伝えるため、欧米ではローコンテクストが主流になったと考えられています。

メリット

表現に曖昧さがないため聞き手が理解しやすく、意思疎通のトラブルが起こりにくい点がローコンテクストの大きなメリットです。グローバル化が進み多国籍のチームで仕事を進める機会が増えていますが、ローコンテクストでは直接的な伝え方をするため、生まれ育った環境・常識の違いによるコミュニケーションの食い違いも生まれにくくなります。
また、日本人が相手だった場合でも、企業の人材育成などのシーンで効果を発揮します。これまでの端的な指示ではなくローコンテクストを取り入れて指示する側が求めている作業の手順を説明することで、教えられる側の考え込む時間が解消されて作業の効率化に繋がるのです。

デメリット

ローコンテクストでは内容を的確に伝える必要があるため、すべての情報を言葉で表さなければなりません。伝える側からすると当たり前の事柄や内容でも言語化する必要があり、やり取りをするうえでの情報量やコミュニケーション量が増加します。言語化に慣れていないと適切な言葉を選べず、情報が煩雑化してコミュニケーションの効率が落ちる可能性があります。

ハイコンテクストとは?

特徴

ハイコンテクストとは、生まれた国の文化や価値観を理解したうえで行うコミュニケーション方法です。ローコンテクストとは真逆で曖昧な言い回しが多く、「暗黙の了解」や「阿吽の呼吸」を必要とします。中国・韓国・インドなどのアジア圏で用いられており、その中でも日本はハイコンテクストの代表国です。
例えば、日本語で「大丈夫」と発言した場合でも表情や声のトーンによって肯定的な意味・否定的な意味が異なり、聞き手はそれを判断しなければなりません。このように、言語以外の情報からも状況を判断する必要があるのがハイコンテクストの特徴です。

メリット

ハイコンテクストはお互いに共通認識を持っている前提でコミュニケーションを取るため、ローコンテクストのようにすべて言葉で表現する必要がありません。多くを語らなくても伝わる前提なので細かなやり取りを省略でき、意思伝達が素早く楽になります。
説明や言語化に苦手意識を持っている人でも、言葉だけでなく雰囲気・空気感を使いながらコミュニケーションが取りやすいでしょう。

デメリット

ハイコンテクストはお互いに共通認識がなければ成立しないコミュニケーション方法です。そのため、自分が共通認識だと思っている前提・事柄を相手が知らなければ意思伝達に支障が生じます。使う言葉が少なく済む分、誤解が生まれていた事実に気づかずに物事が進む恐れも。また、育った文化や価値観が異なるとスムーズなコミュニケーションが難しいため、グローバルな環境では通じないというデメリットもあります。
また、ハイコンテクストはいかに互いの空気が読めるかが重要です。例えば同僚が「最近、残業が多いんだよね」と言ったとすると、シチュエーションによっては「余裕があったら仕事を手伝ってほしい」というニュアンスが含まれているケースもあるでしょう。相手に理解力や汲み取る力が求められるため、誰にでも伝わるコミュニケーション方法ではないこともデメリットです。

ローコンテクストとハイコンテクストの違いとは?

ローコンテクストは情報を細かく言語化するため、互いの常識や価値観が異なっている場合でもコミュニケーションが成立します。一方、ハイコンテクストは文化や価値観の共有が前提のためグローバルな環境では意思疎通が困難ですが、多くの言葉を使わないためやり取りが楽になります。
どちらにもメリット・デメリットがありますが、言語化が重要視されるローコンテクストのほうがコミュニケーションによるトラブルが起きにくいと考えられます。

近年、ビジネスにおいて「ローコンテクスト」が注目される理由

オンライン環境の普及

2020年のコロナウィルス流行をきっかけに多くの企業が在宅勤務を余儀なくされ、その結果オンライン化が急速に進みました。対面で仕事ができないため、メール・チャット・ビデオ通話によるコミュニケーションが必要となり、顔が見えない・見えにくいやり取りが増え、相手の雰囲気から「空気を読む」というコミュニケーションが困難に。表情に頼らず意思疎通が取れるローコンテクストは、オンライン環境が普及している現代に適しているため注目を浴びるようになりました。

従業員が増えることによる価値観の多様化

従業員が少ない場合、企業の理念や目標を明文化していなかったとしても、日頃のコミュニケーションを通して相手に伝える・共感をしてもらいやすい雰囲気作りが可能です。しかし、従業員が増えると価値観が多様化して言葉の受け取り方も各自によって異なってくるため、認識の統一のために明文化が必要になります。
また、従業員の入れ替わりが多い現在において、社内の暗黙の了解を維持し続けるのは困難であり、トラブルの原因になるでしょう。問題を起こさず企業の成長を促進させるためにも、ローコンテクストを意識するべきなのです。

企業のグローバル化

外国人労働者の増加や海外企業とのやり取りが増えるなど、企業のグローバル化が進んでいます。さまざまな背景を持つ人たちとの会話では、明確な言葉で伝えなければ認識のすれ違いが起きやすく、トラブルの原因になってしまうもの。異文化交流が増えた現在だからこそ、日本的なハイコンテクストではなく、ローコンテクストなコミュニケーションが注目されているのです。

誤解を生まない翻訳文章を作成するために気を付けること

ローコンテクストとハイコンテクストの違いは、文章を翻訳する際にも誤解を生む可能性があります。以下の点に注意して事前のトラブルを防ぎましょう。

主語・述語の明確化

日本語は主語が省略されやすい傾向にあるため文章は長くなるほど煩雑化し、誤訳の可能性が上がってしまいます。主語がない文章や主語に対して複数の修飾語・述語がかかっている文章は、依頼前に主語・述語が明確に分かるよう修正しておきましょう。
そのほか、一文が長すぎる文章にも注意が必要です。主語と述語をうまく対応させるために二文に分け、述語を補足すると誤訳を回避できます。シンプルな文章ほど正確に翻訳できることを念頭に、依頼前の文章を整えましょう。

文化的な表現に注意する

映画やテレビなどの翻訳で出てきやすいのが、文化的な表現の翻訳。慣用句や文化的背景が反映された文章をそのまま翻訳すると、意図と異なる翻訳がされてしまうケースがあります。
また、翻訳された文章の内容が伝わらないだけでなく、不快感を与える文章になる恐れも。誤訳・誤解を生まないためにも、関連性のある文脈の追加・不要な記述を削除・文化的な表現の言い換えといった処置をしましょう。

専門用語の説明を挿入

論文のように新しい情報を扱う分野では、専門的な用語が確立されていないケースがあります。専門用語を使用している場合は、用語を解説したリストなどを翻訳業者や翻訳者に共有すると翻訳作業が滞りなく進み、誤訳対策になるでしょう。
反対に、世界中で共通の言葉が使用されている単語もあるため、訳さずに使用するのかあえて訳すのかといった対策も記載しておきましょう。

専門の翻訳業者に依頼する

自動翻訳ツールの発達は目覚ましいものがありますが、現状、ツールのみに頼るのはリスクが大きいと考えられます。特に学術論文・契約書などに使用されている専門用語はツールの翻訳では対応できないケースが多いため、専門の翻訳業者に依頼するのがおすすめです。

弊社ケースクエアは高品質・低価格・迅速対応を強みとしており、多数の翻訳実績を持っています。専門性の高い英訳・和訳にも対応しており、英訳は日本語能力の高いネイティブ翻訳者が担当。和訳は日本人翻訳者が担当しています。
また、初めての依頼で不安な方のために、弊社では翻訳無料トライアルサービスを用意。まずは翻訳したい文章の一部を試訳し、内容に満足いただけた際に正式なご依頼をしていだければと思います。翻訳業者をお探しの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。