IT翻訳とは?翻訳依頼者が把握しておくべきことを解説
依頼する前に知りたい「IT翻訳」の基礎
IT翻訳とは?一般的な翻訳との違い
IT翻訳とは、ソフトウェア・Webサイト・技術文書といったIT分野に特化した専門的な翻訳のことです。一般的な翻訳が言葉を置き換える作業であるのに対し、IT翻訳は技術的な背景を深く理解する必要があります。
例えばITサービスのマニュアルを翻訳する場合、単に言葉を訳すだけでは不十分。サービスの仕組みを理解したうえで、専門用語をユーザーに分かりやすく伝える必要があります。このように、一般翻訳よりも高い専門知識が求められるのがIT翻訳の大きな特徴です。
昨今ではデジタル化とグローバル化が進んで多くのIT製品やサービスが世界中のユーザーに届けられているため、今後もIT翻訳の需要が見込まれるでしょう。
IT翻訳の主な対応領域
ソフトウェア・アプリ分野
- ユーザーインターフェース(UI)テキスト
- マニュアル
- エラーメッセージ
- FAQ など
ユーザーの操作性を損ねないため、ソフトウェアやアプリのメッセージの翻訳には原文を正確に訳し、読者やユーザーに分かりやすい言葉で伝える能力が求められます。
技術・開発関連文書
- 技術仕様書
- 設計書
- APIドキュメント
- 研究論文や特許文書
- プロジェクト管理文書 など
製品やサービスを開発するエンジニア向けの技術書や開発関連文書は、企業と世界中の開発チームが情報共有しながらスムーズに作業を進めるための生命線です。誤訳は開発プロジェクトに遅れや不具合を生じさせるリスクがあるため、精度の高い翻訳が求められます。
Webサイト・マーケティング資料
- 広告コピー
- プレスリリース
- ホワイトペーパー
- プレゼンテーション資料
- カタログ など
Webサイトやマーケティング資料は、企業の製品やサービス情報を多言語で発信するために欠かせないツール。情報を正確に伝えるだけでなく、相手国の文化に合わせて企業を魅力的に伝えられる表現力も必要です。
セキュリティ・法務関連
- 利用規約
- プライバシーポリシー
- 個人情報保護方針
- 各種契約書:
- 機密保持契約(NDA)
- ソフトウェアの使用許諾に関する契約
- 免責事項 など
法務関連文書の翻訳では、誤訳が大きな法務トラブルを引き起こす可能性があります。相手国の法制度や慣習を理解し、法的知識に基づいた正確な翻訳が必要です。
IT翻訳の品質がビジネスに与える影響
IT翻訳の品質は、企業の信頼性や製品の評価に直結する要素のひとつです。例えばマニュアルやエラーメッセージの翻訳が不正確だとユーザーは混乱し、顧客満足度が下がってしまいます。また、仕様書や契約書の誤訳は取引先との信頼を失い、大きなビジネスチャンスを逃す原因になってしまうでしょう。
反対に、高品質な翻訳はユーザーにとっての「使いやすさ(UX:ユーザー体験)」を向上させ、製品への安心感や親しみやすさを生み出します。特にグローバル展開を行う企業にとって翻訳品質の高さは海外市場での競争力を直接左右し、ビジネスを成功させるための強力な土台となるでしょう。
AI・ツールによるIT翻訳はあり?なし?
AIや翻訳ツールの性能は向上しており、スピードやコスト面で大きなメリットがあるのは事実です。しかし、ビジネスで利用するような重要なIT関連文書の翻訳には以下のようなリスクが伴います。
- 情報漏えいリスク…クラウド型翻訳ツールでは入力内容が外部サーバーに保存される傾向にあるため、企業機密や個人情報が漏えいする可能性がある
- 誤訳リスク…IT分野特有の専門用語が誤訳され、システムトラブルや誤解を招く
- 法的・契約上のリスク:契約書や仕様書での誤訳は、顧客や取引先とのトラブルに発展する
簡単な内容を素早く把握したいといった場面では便利なツールとなりますが、現状、ビジネスシーンでAI翻訳や翻訳ツールの利用は避けるのがベターです。社外に公開する資料や契約に関わる文書は、信頼できるプロの翻訳会社に依頼するほうが安全だといえるでしょう。
https://www.jtf.jp/tips/glossary
https://www.k-intl.co.jp/blog/B_200108A
https://www.info-trans.co.jp/cate02/contents05/
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NXT/24/isss_review0514/p4/
https://www.k-intl.co.jp/blog/B_230830A
https://www.k-intl.co.jp/blog/B_250611A
https://www.k-intl.co.jp/blog/B_241120A
https://www.k-intl.co.jp/blog/B_220126A
IT翻訳で失敗しないための翻訳会社の選び方
翻訳会社選びで確認すべき5つのポイント
IT分野の専門性と実績
IT翻訳を成功させるには、発注前の情報収集が欠かせません。依頼先にはソフトウェアやセキュリティ、インフラなど、依頼分野での豊富な翻訳実績を持つ会社を選ぶようにしましょう。
実績がない場合は対象分野での技術・知識が不足しているため専門用語の誤訳や文脈の取り違えが起こり、製品マニュアルや仕様書の品質が低下して企業の信頼性やブランドイメージを損ねる可能性が高まってしまいます。公式サイトで実績や翻訳者プロフィールを確認し、専門分野への理解度を見極めましょう。
用語集・スタイルガイドへの対応
翻訳の品質を保つために、「用語集」や「スタイルガイド」への対応も確認してください。用語集は専門用語やブランド独自の表現の訳し方を統一するためのリスト、スタイルガイドは文章のトーンや表記ルール(例:「です・ます」調、「だ・である」調など)を定めたルールブックを指します。 発注する企業と翻訳会社がこれらを通して表記ルールを共有できれば、複数の翻訳者が関わる大規模なプロジェクトであっても表記の「揺れ」を防ぎ、翻訳品質を安定させてブランドイメージの統一を図りやすくなります。
各種ファイル形式・ツールへの対応力
IT分野の翻訳対象は、WordやExcelといった一般的な文書ファイルだけとは限りません。プログラムの「ソースコード」やWebサイトで使われる「HTML」「XML」ファイルなど、専門的なファイル形式を翻訳するケースがあります。依頼する際には、こうした特有のファイル形式に直接対応できるかを確認しましょう。例えばソースコード内のタグ(命令文)などを壊さずにテキスト部分だけを正確に翻訳してもらえれば、翻訳データを自社で元のファイルに戻すといった面倒な反映作業が不要になり、スムーズな進行が期待できるためです。
また「CAT(キャット)ツール」と呼ばれる翻訳支援ツールを活用しているかも確認しましょう。これは、過去の翻訳データを蓄積・再利用することで翻訳作業の効率化や品質の均一化(用語の統一など)を図る専門のツールです。
さまざまなファイル形式に対応でき、CATツールにきちんと対応できる会社は、IT分野への技術的な理解と対応力が高い証。スピードと正確さを両立させた、高品質なIT翻訳が臨めるでしょう。
ローカライズへの対応
IT翻訳では単に言葉を置き換える「翻訳」だけでなく、「ローカライズ」が求められる場面が多々あります。ローカライズとは、翻訳する国の文化・慣習・法律、さらには色彩感覚やユーモアのセンスなども考慮して表現を現地向けに最適化すること。例えば日付の表記や通貨単位の変更、現地の人に馴染みやすい表現への変更もローカライズの一環です。
展開先の国に合わせた最適化を実現できれば「自分たちのために作られた製品だ」と感じてもらいやすく、ビジネスを有利に展開できる可能性が高まるでしょう。反対にローカライズに失敗するとユーザーに誤解や不快感を与え、ブランドイメージや売上に悪影響が及ぶリスクがあります。
セキュリティ体制と機密保持
IT翻訳では発売前の新製品情報・ソースコード・企業の経営戦略に関わる内部資料など、機密性の高い情報を取り扱うケースも少なくありません。万が一情報が漏えいすれば企業の信頼失墜やビジネス上の大きな損害につながるため、翻訳会社のセキュリティ体制の確認は極めて重要です。
まずは秘密保持契約(NDA)の締結に対応できるかをチェック。加えて、ISMS(ISO 27001)などのセキュリティ認証の取得状況やファイルへのアクセス制限、データの暗号化、サーバーの物理的な管理状況といった情報管理体制が整備されているかも確認しましょう。
社内体制だけでなく、実際に翻訳作業を行う個々の翻訳者とも個別に秘密保持契約を結んでいるかどうかも情報管理の徹底度を測るポイントです。安心して機密情報を預けられるセキュリティ体制が整っているか、契約前に必ず確認しましょう。
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