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簡体字と繁体字の違いとは?使い分けや翻訳時のポイント

簡体字と繁体字の基本的な違い

簡体字(かんたいじ)とは?

「簡体字(かんたいじ)」は、1950年代に中国政府が識字率向上を目的に制定した画数を減らして簡略化した公用文字です。中国本土だけではなく、中国系住民の多いシンガポールやマレーシアなどでも広く使われており、使用人口は14億人を超えるとされています。
簡体字は中国人の子どもや中国語を学ぶ外国人にとって画数が少なく書きやすいように設計されており、短期間で読み書きを習得しやすいのがメリットです。
その反面、伝統的な漢字にあたる「繁体字」から大きく形や意味が変わった文字もあります。そのため、簡体字を使う人々と繁体字を使う人々との間で表現にズレが生じるデメリットがあります。

繁体字(はんたいじ)とは?

「繁体字(はんたいじ)」は中国に古くから伝わる漢字で、数千年にわたって使われてきました。使用人口は台湾・香港・マカオなどに5,000万人以上いるといわれています。
繁体字は画数が多いため、文字を書いたり覚えたりするのに時間が掛かる点がデメリットだといえるでしょう。しかし古典や歴史的な資料を読むためには欠かせない文字で、台湾では公用文字として教育・行政・日常生活のあらゆる場面で定着しています。
イギリスやポルトガルによる植民地時代が長く、中国本土とは異なる文化的な発展を遂げた香港やマカオでも繁体字表記が使用されているので、旅行やビジネスでこれらの土地を訪れる人は事前に学習しておくとよいでしょう。

一目でわかる簡体字と繁体字の違い

実際にどれくらい文字の形が違うのか、いくつかの具体的な例を見て比べてみましょう。 一見してわかるほど簡略化されているものもあれば、日本で使用されている漢字に近いものもあります。

簡体字と繁体字の漢字が異なる例
日本語
簡体字
繁体字

このように並べてみると、簡体字がいかに画数を減らして書きやすく作られているかがよくわかります。 同じ漢字圏でも地域によって文字が変わることを認識しておくと、誤訳トラブルを減らせる可能性が高まるでしょう。

なぜ2種類の文字が存在する?

繁体字と簡体字の2種類の文字体系が存在しているのは、近代中国の政治的な事情が大きく影響しています。
1949年、当時の国民党政府(中華民国)と中国共産党が政権を争い、最終的に勝利した共産党が中国大陸に「中華人民共和国」を建国しました。敗れた国民党政府は台湾島へ移り、中国本土と台湾では異なる政治体制がとられるようになります。
1950年代に入ると、産業振興を急ぐ中国本土では識字率向上や教育の効率化を目的に政府主導で簡体字を制定・導入し、広く普及しました。一方で、当時別の統治下にあった台湾や香港、マカオなどではこの政策が適用されず、伝統的な繁体字がそのまま使われ続けたのです。
こうした歴史的な経緯により、現在でも地域によって使用される文字が明確に分かれています。

ビジネスで失敗しないための中国語翻訳のポイント

なぜ簡体字と繁体字の使い分けが重要なのか?

中国語圏は地域によって使われる文字体系が異なります。読者に読まれなかったり誤解されたりするリスクを避けるために、必ず「簡体字」と「繁体字」は使い分けましょう。
例えば、台湾向けのWebサイトのテキストが簡体字で書かれていると中国本土のサイトだと思われて離脱される可能性が高まり、逆に中国本土向けのWebサイトが繁体字で書かれていると読者に違和感を与えてしまうリスクがあります。
読者の信頼を得るために、地域やターゲット層によって異なる語彙やニュアンスを理解し、正確に言葉を選ぶのが大切です。

文字だけじゃない!地域によって異なる「語彙」の違い

中国本土で使われる簡体字の単語は、台湾や香港で使われる繁体字の単語と異なる場合があります。翻訳ツールなどで簡体字をそのまま繁体字に置き換えるだけでは意味が通じなくなるかもしれません。
例えば日本語の「コンピュータ」は、簡体字では「电脑」・繁体字では「電腦」と書きます。

簡体字と繁体字の単語が異なる例
日本語 ソフトウェア タクシー コーラ パンダ テレビ
簡体字 软件 出租车 可乐 熊猫 电视
繁体字 軟體 計程車 可樂 熊貓 電視
日本語 ソフトウェア タクシー コーラ パンダ テレビ 簡体字 软件 出租车 可乐 熊猫 电视 繁体字 軟體 計程車 可樂 熊貓 電視

このように簡体字と繁体字には単なる文字の形の違いだけでなく地域ごとの語彙の違いも含まれるため、翻訳には注意が必要です。

機械翻訳(Google翻訳など)の限界と注意点

近年、機械翻訳やAI翻訳の精度が向上したため、Google翻訳などのツールを使えばボタン一つで「簡体字」と「繁体字」を切り替えて翻訳することも可能になりました。
しかし、AIが翻訳できたとしてもその内容が現地の読者に違和感なく読んでもらえるかどうかは別物です。現状地域によって異なる方言や文脈のニュアンスを調整するローカライズ、つまり人間によるチェックが欠かせません。
正確さと信頼性が求められる契約書やマーケティング資料などの翻訳は些細な単語の誤訳がトラブルになる可能性もあるため、プロの翻訳家に依頼するのが賢明です。

中国翻訳で失敗しない翻訳会社の選び方

翻訳したい分野の実績があるか

翻訳会社を選ぶ際まず確認したいのが「自社が依頼したい分野での実績が豊富かどうか」という点です。
一口に中国語翻訳といっても、契約書・技術マニュアル・Webサイト・観光パンフレットなど文書によって求められる専門知識は異なります。その分野に関する背景知識やノウハウが不足している可能性が高く、適切な言葉選びは難しいでしょう。誤訳や文脈の取り違えが起こりやすくなり、企業の信頼性・ブランドイメージを損ねる原因にもなりかねません。反対に、実績が多い会社であれば業界特有の用語や言い回しにも精通しているため、正確で読みやすい翻訳が期待できます。
依頼する前に公式サイトで翻訳会社の実績や翻訳者のプロフィールを確認し、得意とするジャンルを見極めましょう。

ネイティブチェックがあるか

ネイティブチェックは、翻訳された言語(中国語)を母国語とするスタッフが文章を確認して品質を高める作業です。文法的な間違いがないかだけでなく、現地の人が読んでも自然なリズムや表現になっているか・文化的に失礼な表現が含まれていないかなどを厳しくチェックします。
同じ中国語でも簡体字か繁体字かによって言葉の意味が変わるだけでなく、北京語・広東語・上海語など地域の方言によって表現は変わるものです。現地の人が読んで違和感のない表現かどうかがビジネスの成否を左右する場面もあるので、ネイティブチェックに対応しているか確認したうえで依頼しましょう。

サポート体制や提案力があるか

中国語は簡体字と繁体字を使い分ける必要があり、現地の事情に通じていないと誤訳や不適切な表現につながるリスクが高い言語です。翻訳前の段階から相談に乗ってくれるような、手厚いサポート体制がある会社を選ぶようにしましょう。
例えば「Webサイトを使って中国語圏に商品を売り込むのが目的」と相談した際、「まずは市場規模の大きい本土向けに簡体字版を。次に香港・台湾向けに繁体字版を用意しましょう」といったアドバイスをくれる会社なら、ビジネスの成功率も高まるはずです。見積りや問い合わせの段階でこちらの要望を丁寧にヒアリングし、提案を交えながら話を進めてくれるかどうかを確認しましょう。

簡体字・繁体字の使い分けも安心な翻訳会社なら

グローバルなビジネス展開において、質の高い翻訳は今や欠かせない要素となりました。 しかし、「簡体字と繁体字の違いがよくわからない」といった悩みを持つ企業様も少なくありません。 また、「専門用語が多くてAIでは対応しきれない」「相手の国に合った表現で信頼を得たい」という課題もあるでしょう。
弊社ケースクエアは、中国語・韓国語・英語に特化した翻訳会社です。簡体字と繁体字を使い分けて日本語から中国語に翻訳するだけでなく、国際公用語である英語へも同時に翻訳するなど、グローバル企業向けのサービスも提供しています。
中国語圏在住のスタッフによる翻訳やクロスチェック・ネイティブチェックによる品質管理も徹底し、NDA(秘密保持契約)の締結も可能です。翻訳するうえでわからないことがあれば、経験豊富な翻訳コーディネーターが親身にサポートいたします。
これまでの翻訳実績やコーディネーターのプロフィール、お客様の声などを公開中です。お見積りのご相談や無料トライアルも随時受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

中国語の文字には、画数を減らして簡略化した「簡体字」と伝統的な形を守る「繁体字」の2種類が存在します。簡体字は主に中国本土・シンガポール・マレーシアで使われており、繁体字は台湾・香港・マカオなどが主な使用地域です。
これらは単に字の形が違うだけではありません。同じ言葉でも表記や意味が異なる場合があるため、ターゲットとなる地域に合わせて使い分ける必要があります。
翻訳したいエリアを明確にして実績のある翻訳会社に依頼し、誤解や誤訳などのビジネス上のリスクを軽減できる翻訳を実現していきましょう。