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英文契約書作成時のチェックポイントとは?

英文契約書のチェックポイント1.基本構成を知る

英文契約書作成時の構成を大きく4段階に分けて確認してみましょう。

文書の上部中央にタイトルを置く

日本語の契約書と同様に、英文契約書でも文書の中央上部にタイトルを置きます。
なお、日本語の契約書の場合にはタイトルに合意内容を含めることが多いのに対し、英文契約書の場合は、「Agreement」や「Contract」などのシンプルな単語が使われる場合が多くなっています。

タイトルと前文の間に契約当事者を記載する

契約発効日、契約当事者名、契約当事者の所在地などのいわゆる「頭書」を、タイトルと前文の間に記載します。
日本語の契約書の場合、これらの情報は文書の署名欄に置かれることも多いため、英文契約書を作成する際には注意が必要です。

具体的な契約内容の後に一般条項を置く

文書本文では、先に具体的な契約内容を置き、その後に一般条項を置く順番となります。英文契約書における一般条項(Boilerplate Clauses)は、膨大な情報量になることがあります。

文書の最後に署名する

日本語の契約書と同様、文書の最後に当事者の署名をします。署名欄に「name」や「print name」と記載されている場合には、ブロック体のアルファベットで署名します。「signature」や「by」と記載されている場合には、日本語で署名して構いません。

英文契約書のチェックポイント2.4つの必要要件と注意点

英文契約書を法的に有効な文書とするためには、次の4つの要件を満たしている必要があります。

Agreement / 事前に契約の合意があること

英文契約書では、契約を締結するための前提として、Agreement(事前に契約の合意があること)が求められます。Agreementは、契約当事者間におけるOffer(申し込み)とAcceptance(承諾)により成立します。

Capacity to Contract / 契約能力を有すること

契約当事者の双方ともに、契約能力(契約を行う法的能力)を有していることが必要です。契約能力がない者が契約を結んだとしても、契約は法的に認められません。
たとえば、代表権のない社員が会社を代表して契約を結んだとしても、その社員には法的に契約能力がないとみなされ、契約が無効となります。

No Defense / 法的な契約否定事由が存在しないこと

契約書の内容に公序良俗違反や詐欺、脅迫などの法令違反項目があれば、これらが理由となり契約が無効となります。

Consideration / 約因があること

英米における契約では、「約因」という概念があります。
約因とは、当事者の一方が無償で負う損失のこと。契約内容に平等性があり、正当なgive and takeの関係が成り立っている契約を「約因のない契約」と言います。英米の契約書に法的効力を持たせるためには、「約因のない契約」であることが前提となります。

※参照サイト:https://ec-lawyer.com/114/

英文契約書のチェックポイント3.法律の違いを理解する

日本と英米では法体系の成り立ちが違う

世界の法体系は、大きく大陸法と英米法の2種類に分かれます。日本の法体系は大陸法に属し、英米の法体系は英米法に属します。
大陸法とは、制定法主義に基づき法律が成文化されている法体系のこと。一方で英米法は、判例法主義に基づき法が形成される法体系のことを言います。近現代の日本の法律には多くの英米法の影響が及んでいるものの、ベースは大陸法であることから、英文契約書の翻訳実務においては、英米法に基づいた形に仕上げる必要があります。

なぜ英文契約書は膨大なページ数になることがあるのか?

英米法に基づく契約には、契約書に記載された内容以外は裁判の証拠にならない、という原則があります(Four Corners Rule / Parol Evidence Rule)。契約書の内容が曖昧でない限り、口約束や覚書などは裁判の証拠として認められないという原則です。
英文契約書の実務では、簡単な契約内容であるにも関わらず膨大なページ数にのぼる契約書が散見されますが、その理由はFour Corners Rule / Parole Evidence Ruleがあるからに他なりません。日本の法制度に基づく契約書に比べ、英文契約書の内容は詳細になる場合が多いことを覚えておきましょう。

英文契約書のチェックポイント4.リーガルチェックの進め方

英文契約書におけるリーガルチェックは、主に3つのポイントが重要となります。1つ目が取引内容に関するリーガルチェック、2つ目が一般条項に関するリーガルチェック、3つ目が紛争の解決方法に関するリーガルチェック。以上3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。

取引内容に関するリーガルチェック

まずは、取引内容に関する具体的な取り決めをリーガルチェックします。対象となる取引の性質を基にして対価状況を明らかにし、この対価状況に関連する各種の条件を個別にリーガルチェックするという作業です。
なお、過去のアメリカにおける判例(2013年5月24日/デラウェア州最高裁判所判決)では、Non-Binding(法的拘束力を持たない)という文言が入っていた契約書について、Non-Bindingという文言の効力が否定されています。英文契約書の翻訳者は知っておいたほうが良い判例でしょう。

一般条項に関するリーガルチェック

先にも触れましたが、英文契約書では、具体的な契約内容の後に、膨大な量の一般条項(Boilerplate Clauses)が置かれることがあります。
これらの一般条項は、契約当事者間の紛争を事前に防ぐ上では、非常に大事な内容です。一つ一つ丁寧にリーガルチェックを行う必要があります。

紛争の解決方法に関するリーガルチェック

契約当事者間で紛争が発生した場合を想定し、その解決手段に関するリーガルチェックを詳細に行っておく必要があります。
通常、紛争の具体的な解決手段は、損害賠償による金銭的な回復や履行の強制などに集約されます。損害の種類(通常損害と特別損害)の定義も明らかにし、各損害の解決手段にまで掘り下げてリーガルチェックを行なわなければなりません。