逆翻訳(バックトランスレーション)とは?やり方や注意点を解説
逆翻訳(バックトランスレーション)の基礎知識
逆翻訳(バックトランスレーション)とは?
逆翻訳とは翻訳された文章を元の言語に再び翻訳し直す手法で、バックトランスレーションとも呼ばれます。たとえば「日本語→英語」に翻訳した文章を別の翻訳者が「英語→日本語」に訳し直し、元の原文とどの程度一致しているかを検証します。
この手法は、翻訳の正確性や内容に矛盾点がないか確認する際に有効です。特に契約書や規程、ガイドラインのように誤訳や表現のズレが重大な影響につながる書類で活用され、トラブル発生のリスクを減らせます。
逆翻訳のメリット
通常の翻訳確認作業に加えてあえて逆翻訳を行うのは、通常のチェックだけでは見えにくい問題点を浮かび上がらせやすいためです。代表的なメリットを2つ紹介します。
翻訳の正確性を客観的に評価できる
逆翻訳は、訳文だけを読んでいる場合よりも翻訳の過程で生じた意味の欠落や解釈のズレが把握しやすくなります。
たとえば原文に「契約締結前に書面による承認を得なければならない」と記載されている場合、翻訳の過程で「承認を得るのが望ましい」という曖昧な表現に変わってしまうケースもあります。
訳文だけを見ていると気づきにくい言いまわしも、逆翻訳すると「義務」から「推奨」に意味が変わっているのが一目瞭然。その他、主語の入れ替わりによる責任所在の変化・専門用語や法的表現に誤りなども見つけやすいのがメリットです。
外国語の知識がなくても品質を確認できる
翻訳を依頼する担当者が、必ずしも現地の言語に精通しているとは限りません。逆翻訳を行えば戻ってくる文章は担当者の母国語(例:日本語)であるため、翻訳内容が原文の意図から離れていないかをある程度判断できます。外国語の知識がない人でも表現の違和感や意味のズレを把握しやすくなるため、翻訳プロジェクトをスムーズに進める助けになるでしょう。
逆翻訳の主なやり方
逆翻訳は主に「シングルバックトランスレーション」と「ダブルバックトランスレーション」の2種類です。それぞれのやり方と特徴についてご紹介します。
シングルバックトランスレーション
シングルバックトランスレーションは、「原文」とすでにある「翻訳文」の両方を翻訳会社に渡して逆翻訳を依頼する手法です。翻訳会社は「翻訳文→元の言語」へと逆翻訳し、その結果を原文と照らし合わせて翻訳ミスやニュアンスのズレがないかを確認します。
すでにある翻訳文の品質チェックとして利用できるため、プロセスは比較的シンプル。コストを抑えつつ、客観的な視点で精度を高めたい場合に適した方法といえるでしょう。
ダブルバックトランスレーション
ダブルバックトランスレーションは、「原文のみ」を翻訳会社に渡して依頼する手法です。まず翻訳者Aが「原文→目的言語」に通常の翻訳を実施。その後、別の翻訳者Bが「Aが作成した翻訳文→元の言語」に逆翻訳を行います。
ここで重要なのは、翻訳者Bが原文を一切見ずに作業を行う点です。「翻訳者が原文を確認していない」という証明書を発行する会社もあり、第三者による公平なチェック機能として働きます。
手間やコストも多くなりますが、高い精度が求められる重要な文書を信頼できる翻訳会社にすべて任せたい場合に適した選択肢です。
逆翻訳の効果を高めるために知っておきたいこと
逆翻訳の注意点
逆翻訳は翻訳の正確性を確かめるための有効な手段ですが、どんな文書にも適しているわけではありません。導入する前にいくつかの注意点を知っておく必要があります。
自然な表現・ニュアンスまでは判断できない
逆翻訳が得意とするのは、あくまで「原文の意味が正しく反映されているか」の確認です。そのため、逆翻訳された文章が原文通りだったとしても、現地の人が読んだときに自然な文章になっているかまでは判断できません。
たとえば広告のキャッチコピーや比喩を使った表現などは、直訳すると意味は通じても魅力的な文章ではないケースがあります。「文章が不自然」「トーンに違和感」「文化的に伝わりにくい」など、ニュアンスまでは逆翻訳で見抜くのは難しいでしょう。
時間とコスト(労力)がかかる
逆翻訳を行う場合、通常の翻訳作業(翻訳→レビュー)に加えて、別の翻訳者による逆翻訳という追加工程が発生します。その分、作業に必要な時間・費用が通常の翻訳より多くかかることは避けられません。
逆翻訳でズレや問題点が見つかった場合は修正や再確認を行う必要もあり、プロジェクト全体のスケジュールに影響を与える可能性もあります。依頼する側も確認作業に時間を割く必要があり、双方にとって負担が大きくなってしまいます。
原文と完全に一致するとは限らない
言語にはそれぞれの文法や固有の表現方法などの特徴があるため、翻訳して戻ってきた文章が原文と一言一句同じになることはありません。多少の表現の違いは必ず生じます。
英語では自然な表現でも、日本語に直訳して戻すと違和感が出るケースも少なくありません。このズレが「誤訳」によるものなのか、それとも言語の特性による「許容範囲」なのかを柔軟に見極める視点が必要です。
逆翻訳には向き不向きがある
逆翻訳の効果は文書のタイプによって大きく変わり、特に原文と訳文が一対一で対応しやすい文書に効果的な手法です。契約書・マニュアル・社内規定など、論理的で正確性や整合性が最優先される文書であれば、意味のズレや解釈の違いが確認しやすくなります。
一方で、創造性や文化的な意訳が求められる文章にはあまり向いていません。文学作品・キャッチコピー・マーケティング表現など「読み手の心を動かすこと」が価値の中心にある文章は意訳されているケースが多く、逆翻訳を行うと原文のニュアンスが失われてしまい、正当な評価が難しくなるためです。
逆翻訳の手間を省くには「高品質な一次翻訳」が重要
逆翻訳は内容の正確性をチェックする有効な手段ですが、限界もあります。コストや時間をかけて逆翻訳を行っても、ベースとなる一次翻訳の質が十分でなければ修正や確認に膨大な手間がかかってしまうでしょう。
本来の目的が「高品質な翻訳」なら、最初の段階(一次翻訳)で精度の高い翻訳を用意するのが効率的です。専門知識を持った翻訳者を起用し、ネイティブによるダブルチェック体制が整った翻訳会社を選ぶこと。そうすれば、逆翻訳を行わなくても信頼できる翻訳文が得られるでしょう。
実績多数!精度を求められる翻訳を任せるなら
翻訳の質は、単に言葉を置き換えるだけでは決まりません。原文を深く理解し、ターゲット国の文化や背景に合わせて正しく表現する力が求められるため、語学力はもちろん専門知識と経験も不可欠です。
「逆翻訳の手間をかけずに高品質な翻訳を手に入れたい」という方は、ぜひ弊社ケースクエアの翻訳サービスをご検討ください。弊社では以下のような万全の体制で安心の翻訳をお届けしています。
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- ネイティブ翻訳+クロスチェック…原則としてネイティブ翻訳者が翻訳を担当するため、別途ネイティブチェックを行わなくても、それと同等以上の品質を実現。日本人バイリンガルチェッカーによるクロスチェックにも対応しており、表現の自然さと原文の正確さを両立させます。
お見積りのご相談はもちろん、品質をお試しいただける無料トライアルも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
逆翻訳は、翻訳が正しいかどうかを客観的にチェックできる便利な方法であり、特に契約書やマニュアルなどの内容の正確さが重要な文書では力を発揮します。一方で自然な表現や文化的なニュアンスまでは判断しづらく、時間やコストがかかる点には注意が必要です。
最も大切なのは、一次翻訳の質を高めること。原文を深く理解して確かな知識を持つプロが翻訳すれば、そもそも大きなズレや誤訳は生まれにくくなります。手段の一つとして逆翻訳を知りつつ、信頼できる翻訳会社選びに力を入れましょう。
