◇◇◇◇海外ビジネス体験談コラム◇◇◇◇
ワイン王国
●ワインとチリビジネスに焦点を当てましょう。
●チリが世界の中でもワインの生産国として有名である事は以前述べました。日本の酒屋さんでは、ニューワールドワインとして、オーストラリア、 南アフリカなどと一緒にされる事もありますが、やはりチリワインは、チリワインです。イタリアワインとスペインワインが一緒にできない様に、
チリワインも独立して扱われるべきと思います。
●さて、ワインはチリにとって大事な輸出産業です。チリの輸出統計では銅がずば抜けて大きな輸出品ですが、それに水産物(鮭は有名です)や木材がつづき、ワインもその次ぐらいに位置します。
●やや専門的になりますが、フィロキセーラという葡萄の木に大敵である害虫がいないので(カリフォルニア、ヨーロッパでは、この害虫がいます)、 カベルネソビニョン、メルローなどの純種の苗木が、接木をしないで育つ土壌があります。
●又、ヨーロッパに比べて夏の昼と夜の温度差が大きいこと、日照が強い事が、より糖分の高い葡萄を作ります。従って、ヨーロッパのワインに比べて、 ワインの醸造にかかる時間が、高糖分による発酵が早いことから、短くてすみます。又、ワインの味も一般的に酸っぱさがすくなく、やや甘い感じがします。
●チリ人は、チリワインがラテンアメリカの中で一番おいしい事を自慢に考えています。歴史的に常に対抗意識のある隣国のアルゼンチンも、 ワインを生産していますが(マルベックという種類が有名です)、世界レベルではチリのほうが上位にランクされるので、チリから見ると、大国アルゼンチンに勝てる数少ない事の1つであるわけです。
●その自慢のワイン、あらゆる機会に登場します。ビジネスランチ、ディナー、に始まり、何かあるとワインを贈る習慣があります。会社が目標を達成した時、
社員の誕生日、結婚記念、ベビー誕生、などなど私もワインを差し上げたり、贈られる事が良くありました。
●この様に、チリではビジネスに直接、間接に関連した場面で、ワインが 本当に良く使われます。
●レストランで食事にお客様を招いた時です。そのお客様はフランスワインが大好き、イタリアワインなら許す、というヨーロッパワイン一辺倒の方でした。
サンティアゴのレストランは、どんな高級なところへでもヨーロッパのワインを殆ど置いていません。置いてあるとしても、種類が揃っていないのです。
●勿論、そのお客様はフランスワインを飲みたかったのですが、チリに来たのだから、と我慢をしてもらい、チリのセーニャという高級ワインを試してもらいました。
●今まで、チリワインに目を向ける事が無かったこの方、その食事をして以来、チリワインのファンになられ、今ではフランスワインとチリワインを半々、自宅のセラーに置いているそうです。
●この様に、チリでは、ワインを通じて人間関係を円滑にしたり、ビジネスの話題にしたり、ワインが本当に社会の中で大きな役割をしています。
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