◇◇◇◇海外ビジネス体験談コラム◇◇◇◇
カナダビジネス事情
●カナダ、というと何を思い浮かべますか。
●雄大なロッキー山脈に代表される大自然、氷河とレイクルイーズ、バンクーバー、アイスホッケー、モントリオール、メイプルリーフ。 私は、それに加え、かえで(メープル)から作られる、おいしいメープルシロップです。
●日本の約27倍の国土に、日本の人口の約25%である3千万人が住んでいます。国の面積はロシアについで、世界2位です。 兎に角広い、人がいない、というのが、カナダを旅行しての第一印象です。
●この国がイギリスの植民地であった事は広く知られていますが、現在でも英国女王を元首としている事、 それ程知られていません。オーストラリアと同じ体制です。ですから、カナダを旅行すると至る所にエリザベス女王の写真を見る事ができます。
●さて、カナダのビジネス事情です。
●一言でいうなら、アメリカの田舎イメージです。私が経験した限り、カナダのビジネスマンは、 心の中では隣にあるアメリカをある種の劣等感でもって、常に意識しています。
●その1つの表れが、自分達はアメリカとは違う事をよく強調する事です
●そうしないと、あまりに規模の大きいアメリカに飲み込まれてしまう、という恐怖心があるのでしょう。そう感じるのは当たり前の事ですが。
●一方、アメリカとうまくやっていく事が最優先にもなっています。アメリカからカナダへ、 カナダからアメリカへ旅行をするとよく分かりますが、かなり以前より殆ど国境を取り払ったような状態です。
●世界の中でもアメリカは入ってくる人(旅行者であれ、移民であれ)の管理を厳しく行っており、空港、港、メキシコ国境などでは、 移民局のチェックが、テロ以前より厳重に行われてきました。
●ところがカナダとの間では、簡単なパスポートチェックなどはありますが、簡素化されています。 一例として、アメリカの移民局の入国管理がカナダの出発空港内に設置されていて、アメリカ側の空港に着いた時には、アメリカ国内線で着くのと同じ扱いになっています。
●この事はビジネスにも当てはまります。アメリカとの共存を基本にして設定されている規定、考え方が多く、 日本企業がカナダで仕事をする時にはアメリカに既に進出していると割合簡単に、似たようなベースで始められます。
もちろんいくつかカナダという国としての独立性を保つ為の特殊な法律、移民法もあります。例えば、ケベック州はフランス語をも第1外国語としていますので、
小売商品の表記は英語とフランス語の併記でなければいけない、などです。
●この様にカナダにおけるビジネスは、1部独立国としての特殊な事情はあるものの、アメリカを常に念頭に入れたビジネス体系であると言えます。
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